【コラム】家族信託と成年後見制度の目的の違いとは
2025/03/18
家族信託と成年後見制度は、高齢者や障害者などの財産管理や生活支援を目的とした制度ですが、そのアプローチの方法や目的には違いがあります。各制度ではどのような点が重視され、どのように運用されるのか、当記事では両者の目的の違いについて詳しく解説します。
家族信託を利用する主な目的
家族信託は資産管理や相続に関する問題を家族内で解決するのに利用される信託制度です。主に以下の目的で活用されています。
・資産の適切な管理と次世代への承継
・相続対策
・家族内での財産管理
資産の適切な管理と次世代への承継
家族信託のもっとも重要な目的は「資産の管理」や「承継」にあります。
高齢者や障害を持つ家族が、自分自身の判断能力が低下したときに備え、信頼できる家族に資産管理を託すために家族信託を始めるということです。
例えば、認知症を患って財産管理が適切にできなくなるリスクを避けるため、信託契約を結んで子どもにその役割を託すケースがあります。
このとき信託により受託者である子どもが財産を管理し、契約内容に従い当該財産が親や他の家族の生活費や医療費に適切に充てられるようになります。
また、信託の中であらかじめ資産の承継先を指定できるため、親が亡くなった後、誰が引き継いでいくのかも決めておくことができます。
相続対策
家族信託は「相続対策」としても有効です。
生前に信託契約を結ぶことで、遺言書に似た形で資産の分配を指定できます。これにより、遺産分割に関する争いを未然に防ぐことも可能です。
例えば、親が所有する不動産を複数の子供に均等に分けることが難しい場合、不動産を信託財産とし、特定の子供がその管理や収益を担当する形で信託契約を結ぶことが考えられます。
また、遺言書だと遺言者自身の相続でしか効力を発揮せず、子どもが亡くなったあとのことまで承継方法を指定できません。しかしながら家族信託であればさらにその先にまで引き継ぎ方を決めておけるという利点があります。
家族内での財産管理
家族信託の目的として「信頼できる家族内で財産を管理し、柔軟な資産運用を実現すること」も挙げられます。
家族信託の場合、受託者として指定するのは信頼できる家族です。そのため第三者の介入を避けつつ、資産を管理することができるのです。
例えば家族経営している会社の株式や、個人事業の事業用財産を信託財産に組み込み、後継者を受託者として指定することで、事業承継も円滑に進めやすくなります。
成年後見制度を利用する主な目的
成年後見制度は、判断能力が低下した方の権利を保護し、生活や財産管理を支援するための制度です。目的を細かく見ていくと次の3つに分けることができます。
・生活に関わる契約行為の支援
・財産の適切な管理
・本人の意思の尊重
生活に関わる契約行為の支援
判断能力が低下することで日常生活や財産の管理が難しくなり、不適切な契約や詐欺の被害に遭うリスクが高まります。
このような状況に対応するため、家庭裁判所が信頼できる後見人を選任します。
例えば、認知症を患った高齢者が重要な財産契約を結ぶことが困難になった場合、後見人等が代わりに契約を締結したり、契約締結について評価して同意を付したりして安全な契約行為を支援します。
財産のことだけでなく、生きていくうえで必要な法律行為について支援するのが成年後見制度の重要な目的であり大きな特徴でもあるのです。
財産の適切な管理
成年後見制度では、後見人等が本人の財産を適切に管理し、必要に応じてその財産を活用します。
本人が不用意に不動産を売却してしまわないように管理したり、現金・預金などを誤った形で浪費しないよう管理して適切に生活費に充てたり、無駄遣いが起こらないように支援を行います。
本人の保護が重視されますので、財産を増やせる可能性があったとしても不動産や株式を購入して資産運用していくといった投資行為は後見人等も基本的には行いません。
本人の意思の尊重
成年後見制度では、後見人等が代理で法律行為を行うこともありますが、当然ながら後見人等のために利用する制度ではありませんし、家族のための制度でもありません。
重要なのは支援を受ける本人の保護であり、当該本人の意思が最大限尊重されなければなりません。
判断能力が低下している場合でも本人の意思や希望が可能な限り反映されるように後見人は行動し、例えば、本人が以前から住んでいた家に住み続けたいという希望を持っている場合、後見人はその希望に沿った支援を提供します。
家族信託と成年後見制度の目的の違い
以上を整理すると、自分の財産を信頼できる家族に託してその管理と承継を行うための制度が家族信託であり、これは「財産管理」や「資産運用」、「相続対策」に重点を置いている制度ということができます。本人が自らの意思で信託契約を締結し、柔軟に資産運用や承継をコントロールすることを重視しています。
一方の成年後見制度は、判断能力が低下した人を法的に保護するための制度です。「本人の意思を尊重しながら、本人の生活や財産を守ること」が主な目的です。
--------------------------------------------------------------------------
◆熊本の相続ならあかりテラス
【住所】熊本県熊本市東区御領2-28-14 大森ビル203
【営業時間】平日 9:00 ~ 18:00
【電話番号】096-285-6841
※土日祝もご予約でお受けいたします
◆各種SNSも更新中!
【Instagram】@akariterrace.hohoemi
【YouTube】相続漫才®
--------------------------------------------------------------------------



