【コラム】贈与契約書の作り方|トラブルを防ぐためのポイントとは
2026/03/27
家族や親戚間で財産を渡すとき、口約束で済ませていませんか?たとえ信用できる相手だとしても、贈与契約書は作成しておくべきです。とはいえどのように作成すればいいのか、何を意識すればいいのかわからないこともあるかと思います。
専門家にご相談いただくのが一番ですが、ご自身としても知っておきたい重要なポイントをここにまとめましたので、ぜひご一読ください。
なぜ贈与契約書が必要?
法律上、贈与契約は口頭でも成立することが示されています。
(贈与)
第五百四十九条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
(書面によらない贈与の解除)
第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
引用:e-Gov法令検索 民法第549条、第550条
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
しかし一方で、書面化していない贈与だと履行前に一方的な撤回ができてしまうとも規定されています。
言い換えると、書面、つまり契約書を作っておけば一方の勝手な都合による契約の撤回をできなくすることが可能なのです。
また、贈与の事実を証明する手段としても契約書が役立ちます。
たとえば相続が発生した際、ほかの相続人から「その財産移転は贈与ではなく貸付だ」などと主張されたとしましょう。そんなときでも契約書があれば贈与の事実を証明できます。
このように、ひと手間かけて贈与契約書を作ればさまざまなリスクを回避できるようになるため、一般的にも「契約書は作っておくべき」といわれているのです。
贈与契約書で記載すべき項目
贈与契約書の作成にあたり決められたフォーマット(書式)はありません。
好きな形で好きな情報を盛り込んで作成することができますが、以下に取り上げる内容については明記しておきましょう。
最低限明確にしておく基本情報
契約書としてのトラブル予防機能などを期待するなら、最低限、以下の基本的な情報については明記すべきです。
・贈与者と受贈者の氏名および住所
・贈与する財産の特定(不動産なら登記簿通りの表示、金銭なら具体的な金額 など)
・贈与の意思表示と受諾の意思表示が明確にわかる文言
・契約締結日
・双方の署名または記名押印
何が贈与の対象になっているのか、財産を確実に特定することを意識しましょう。単に「自宅の土地」と記載してもある程度推測はできますが、余計なトラブルを生まないよう、登記事項証明書に記載された通りの正確な表示を意識すべきです。
日付についても「令和○年○月吉日」といった表現は避けます。具体的な年月日を記載しましょう。
トラブル防止のために検討しておきたい条項
上記基本情報だけでは不十分なケースもあります。
たとえば負担付贈与とするならその負担内容も具体的に記載しましょう。後になって「聞いていない」と主張される可能性を排除します。
例:「受贈者は贈与者の生活費として月額○円を支払う。」など。
また、停止条件や解除条件を付ける場合もその内容を明記します。
例:「受贈者が大学を卒業したら贈与する。」「受贈者が贈与者より先に死亡したら贈与契約は失効する。」など。
生前贈与で大事なポイント
相続対策として贈与を行うケースも少なくありません。このケースでは特に「生前贈与」と呼んだりもしますが、一般的な贈与契約に適用される法的ルールと変わりはありません。
ただし、生前贈与ならではのポイントもありますのでご注意ください。
贈与者の判断能力の有無
契約を有効に成立させるには、法的に判断能力が必須です。そのため、相続が始まってから「贈与者は認知症で、契約に関しての判断能力がなかった」と主張される可能性も踏まえて対策を講じておきましょう。
たとえば高齢者が贈与者であるなら医師の診断書を取得しておくなど、判断能力があったと示す補助的な資料を残すことも検討すると良いです。
ほかの相続人とのバランス
特定の相続人だけに多額の生前贈与をすると、ほかの相続人から「遺留分侵害額請求」を受け、受贈者が金銭を支払わないといけなくなることもあります。
※遺留分とは、一定の相続人だけに保障された、遺産の一部のこと。
そのため遺留分に配慮し、加えて、あらかじめ贈与の趣旨(事業承継のため、介護への感謝など)を伝えておくなどして理解を得ておくと良いでしょう。
専門家にチェックしてもらおう
多額の財産を贈与する場合、その分契約トラブルのリスクも大きくなります。ご自身で契約書を作成することも可能ですが、「できるだけトラブルなく、安心して贈与を行いたい」という方は司法書士へご相談ください。
特に不動産を贈与するケースでは登記申請の手続きも必要となるため司法書士の利用が効果的です。司法書士は契約書をチェックするだけでなく所有権移転登記まで広く対応することができますので、ぜひご検討ください。
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