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【コラム】遺言執行とは? 遺言執行者が対応する仕事内容や義務、選任のメリットについて

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【コラム】遺言執行とは? 遺言執行者が対応する仕事内容や義務、選任のメリットについて

【コラム】遺言執行とは? 遺言執行者が対応する仕事内容や義務、選任のメリットについて

2026/03/27

遺言を残しておけば、指定した特定の人物へ特定の財産を渡すことが可能となります。ただ、現実にその方へ財産が渡るためには相続開始後の手続きが欠かせません。この一連の作業は「遺言の執行」と呼ばれ、遺言執行の実効性を高めるためには「遺言執行者」の存在が重要とされています。

 

遺言執行ってどんな行為?

遺言執行とは、「遺言者の死後に、遺言書の内容を実際に実現するための手続き」を意味します。

 

遺言者は生前に自分の意思を遺言書に記載しますが、自動的にその内容が現実のものとなるわけではありません。法的効力が生じるとはいえ、具体的な手続きが必要となります。

 

そこで、たとえば不動産の名義変更、預貯金の解約や分配、株式の移転手続きなど、相続財産を適切に承継させるための実務的な作業が遺言執行に含まれます。これら遺言執行の手続きには専門的な知識を要するものも多く、相続人だけだと対応が上手く進められないケースも少なくありません。

 

遺言書で「遺言執行者」を定めることができる

遺言の執行を職務とする一時的なポジションを、遺言書により設けることができます。このポジションを「遺言執行者」と呼び、その方は遺言内容の実現に向けて相続財産の管理その他遺言の執行に必要な行為に対する権利および義務を持つこととなります。

 

これは契約で定める当事者間のルールなどとは異なり、関係者全員に影響力を持つ法律上のルールとして定められています。

 

(遺言執行者の権利義務)
第千十二条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。

引用:e-Gov法令検索 民法第1012条第1項・第2項
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

 

遺言執行者は相続人の単なる代理人として職務にあたるのではなく、相続人にはない固有の権限を持ちます。

 

もし遺言執行者がいるのなら、遺贈は相続人が実施できなくなり、遺言執行者のみに実施する権利が認められます。相続人であっても遺言執行を妨げる行為は無効となるのです。

 

(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

引用:e-Gov法令検索 民法第1013条第1項・第2項
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

 

遺言執行者の仕事内容

遺言執行者が対応すべき仕事内容は多岐にわたりますが、主なものとしては以下の行為が挙げられます。

 

・相続財産の管理(預貯金や株式等の解約・名義変更、不動産の所有権移転登記手続き、遺産の売却および分配手続きなど)

・遺贈(相続人のほか、相続人以外の人、あるいは法人への財産の移転)

・子の認知届出(婚姻関係にない相手との間に生まれた子どもについて、認知届を提出する)

・相続人の廃除手続き(虐待や侮辱などの理由で相続権を剥奪するとき、家庭裁判所に廃除の申立てを行う)

 

これらの行為に対応する大きな権限を持つ反面、遺言執行者には「相続財産目録の作成と相続人への交付」「遺言内容の相続人への通知」など、いくつか適正に仕事へ取り組むための義務も法定されています。

 

遺言執行者に指定された方としては、大きな権限の行使および義務の履行に十分注意しながら取り組まなくてはなりません。

 

遺言執行者の指定が必要な場面

原則として、遺言執行者は遺言の執行に必須ではありません。これを指定しなくても遺言書が無効になることもありません。

 

ただ、①子の認知や②相続人の廃除を求める遺言者としては必ず定めておかないといけません。遺言執行者なく認知や廃除の効力は得られません。

※生前であれば自分自身で対応することも可能。

 

指定が推奨される場面

認知が必要な場面と異なり法的に必須というわけではないものの、実務上遺言執行者を指定しておいた方が安心、リスクが小さい、という状況もいくつかあります。

 

・相続人間の対立が予想される
 相続人同士の関係性が良くなく、感情的になって争いが起こりそうだと思われるケース。

・相続人が多数または遠方にいる
 全相続人の意思確認、署名・押印などが必要な場面においても円滑な手続きが実現しやすい。

・相続人以外への遺贈がある
 相続人と受遺者(遺贈を受ける者)は利害が対立する関係にあるため、適正な手続きを期待するために指定しておく。

・財産構成が複雑
 不動産や金融資産、事業用資産など、多様な財産があるときの相続人の負担を軽減する。

 

これらの状況に該当するなら、遺言執行者の指定を前向きに検討しましょう。

 

 

遺言書作成時の記載方法

遺言執行者の指定方法は難しくありません。次のような文言を残しておくだけでも有効となります。

 

例1)「遺言執行者として○○を指定する」

 

指定する相手の住所・氏名・生年月日なども明記しておくとより確実です。

 

また、指定した方が先に亡くなる可能性もありますので、予備的に指定しておくことも検討しましょう。

 

例2)「○○が遺言者より先に死亡した場合は、△△を遺言執行者に指定する」

 

なお指定する人物は家族や親族である必要はありません。法律に沿って責任を全うしなければならず高い専門性も求められますので、司法書士など相続に関する専門家に依頼することもご検討ください。

 

身内ではない専門家なら相続人との利害関係もありませんし、公正中立な遺言執行が期待できます。また、司法書士であれば登記手続きにも問題なく対応できます。

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