相続で重要となる遺言書の作成を解説
WILLWRITING
遺言書作成の目的、必要性、方法を詳しく解説します。遺言書は、財産の所有権を誰に相続するか、生前に自身の意思を明確に記録し、将来的に実行するための文書です。遺言書があると、相続人同士のトラブルを防ぐ要因にも繋がります。正式な方式、作成時の留意点、遺言の効力など、遺言書についての基礎知識を網羅的に提供します。また、発生する費用についても明記しています。
遺言書の作成とは
will writing
なぜ、多くの人が遺言書を残すのでしょうか。一言で言えば、遺言書を残すことは家族への人生最後の家族孝行(思いやり)となるからです。遺言書を作ることで、以下のようなことが実現できます。
財産を特定の相続人に相続させることができる
相続人に配分する財産の割合を指定することができる
相続人以外の第三者に財産を遺すことができる
家族に本人の想いを込めたメッセージを残すことができる
相続手続きがスムーズに行え、残された家族がとても助かる
相続を円満に終わらせるためには、「亡くなる本人が、準備をしてあげておくことが一番大切です。」更に、「ご自身の財産をどのように分けて欲しいのか」本人の意思をきちんと相続人に伝えておくことが重要です。「遺言書」は、決して、相続トラブルになりそうなご家庭だけがつくるものではありません。家族が困らないようにしておくことは、どんな家庭にも必要なことで、残されたご家族はとても感謝しています。家族想いな人ほど、遺言書を残される方が多いと言えます。
相続対策という観点からみた場合に特に遺言書を作っておいた方がよいのは次のケースです
1. 子供がいない夫婦
2. 独身の人
3. 未成年の子供が相続人になりそうな人
4. 子供がいて、離婚や再婚をした人
5. 相続人に認知症や障がい者など判断能力がない方がいる人
6. 相続人の人数が多い人や相続人が遠距離に散らばっている人
7. 財産を渡したくない人がいる人
8. 法定相続人以外の人に財産を渡したい人
9. 内縁の妻や夫がいる人
10. 相続人に行方不明者や生死不明の方がいる人
11. 相続人がいない人
12. 自分で財産の分配や割合を決めたい人
13. 財産に不動産がある人
14. 相続人同士の仲が良くない人
15. 会社経営者や自営業の人
16. 自分の財産を条件付きで渡したい人
17. お墓の継承者を決めておきたい人
18. 財産を寄付したいと考えている人
相談でよくある質問
「認知症が進む前に、親に遺言書をつくってもらいたい。間に合うのか」
「本人が施設にいて体が悪いため、公証役場に行くことができない」
「親名義の土地の上に自宅を建築するため、相続のときに土地を確実に自分の名義にしたい」
「子供がいないから、財産はすべて妻(夫)に相続させたい」
「自宅は老後の面倒をそばで見てくれている娘(息子)に渡したい」
「複数ある不動産と金融資産を子供たちに公平に遺したい」
「先祖代々の土地を、長男とその孫に確実に引き継ぎたい」
「身寄りがないので、信頼のできる団体等に財産を寄付したい(全国の遺児のために財産を寄付したい)」
「公証役場に相談に行ってみたが、なかなか思うように手続きが進まない」
「以前つくった公正証書遺言をつくり直したい(内容を一部変更・修正したい)」
「自分で(手書きで)遺言をつくったが、本当に効力はあるのか、無効になることはないのか心配だ」
公正証書遺言と自筆証書遺言の比較
公正証書遺言 | 自筆証書遺言 | |
作成方法 | 公証役場が作成する (本人が自筆で書く必要がない) ※公証人が本人のもとに出張することも可能 | 本人が自筆で本文を書く ※平成31年1月13日(日)から、自筆証書遺言に、パソコン等で作成した財産目録を添付したり、銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として添付するなどして、遺言を作成することができるようになりました。 (ただし、財産目録の各ページに、本人が署名押印する必要があります。) |
メリット | 公証人(必要に応じて法律専門家)が作成に関与するため不備がない ・原本は公証役場で保管されるため、手元の遺言を紛失したとしても再発行が可能 ・相続時に検認手続きが不要 | ・自分で作成できる ・気軽に書き直しができる ・費用があまりかからない |
デメリット | ・作成する手間や費用がかかり、証人も2人必要 ・ある程度の費用がかかるため、気軽に書き直しができない ※手間がかかること(必要書類の収集、案文の作成、公証役場とのやり取りなど)や、証人は、法律専門家等に任せることも可能 | ・ルールを守らないで書くと不備により無効になる可能性がある ・紛失や改ざんの可能性がある ・相続時に検認手続き(※)が必要 ※令和2年7月10日(金)から、法務局に対して遺言書の保管を申請すると検認手続きが不要となる制度(遺言書保管法)がスタートします。 |
自分で書く自筆証書遺言とくらべ、不備や紛失、改ざんの可能性がなく、相続時の手続きをより円滑に進めることができるなど、メリットが大きいのが公正証書遺言です。当事務所でも、自筆証書遺言よりも公正証書遺言を作成することおすすめしております。
「上記は全て税抜き表示となります」