【コラム】成年後見制度の後見人等ができること・しないといけないこと
2025/04/03
成年後見制度を利用することで、認知症や加齢により判断能力が低下した方でも安全にサービスの申し込みや財産管理などができるようになります。
具体的にどのような支援が受けられるようになるのか、それは選任される後見人等の種類によって変わってきますので、ここでは各種後見人の権利や義務について紹介していきます。
成年後見人にできること
成年後見人には、以下の権限が認められています。
財産管理権 |
支援対象である成年被後見人の財産を管理する権限を持つ。 たとえば以下のような行為を行うことができる。 ・不動産の管理 ・預貯金や有価証券の管理 ・年金の管理 ・税金の支払い、公共料金の支払い など |
代理権 |
成年被後見人のすべての法律行為について包括的な代理権を持つ。たとえば以下のような行為を行うことができる。 ・売買契約や賃貸借契約などの締結 ・介護サービス、施設入所に関する申込み ・遺産分割協議への参加 ・入院手続き など ※自宅を売却するなど一部の行為については家庭裁判所の許可が必要となる。 ※結婚や離婚のような身分行為は代理できない。 ※成年被後見人と成年後見人の利害が対立する行為について、成年後見人が代理人となることはできない。 |
取消権 |
成年被後見人が単独で行った法律行為を事後的に取り消すことができる。 ※日用品の購入程度の行為まですべて取り消すことはできない。 |
成年後見人には、このように広範な権限が認められていますが、成年被後見人の意思を尊重して判断すること、心身の状態や生活状況などに配慮して判断することが求められます。
保佐人にできること
保佐人も支援対象である被保佐人の財産管理をしたり、法律行為のサポートをしたり、さまざまな法的支援を行います。ただし成年被後見人と比べるとその権限は限定的です。
たとえば、保佐人には原則として代理権が認められません。家庭裁判所への申し立てを経て、特定の法律行為について代理権の付与を受けることは可能ですが、成年後見人のように包括的な代理権はありません。
そこで、保佐人の役割・できることは「民法に定められている特定の重要な法律行為に関する同意(同意を得ることなく被保佐人が行った行為は取り消すことができる)」といえます。
民法に定められている重要な法律行為とは、次に掲げる行為を指します。
- お金を貸した相手から元金を受け取ること、または貸し付けること。
- お金を借りること、または他人の借金の保証人になること。
- 不動産やその他の重要な財産に関わる権利を得る・放棄する行為をすること。
- 裁判で原告として訴えを起こすこと。
- 贈与(無償で財産を与えること)、和解、または仲裁合意をすること。
- 相続の承認や放棄、または遺産分割をすること。
- 贈与の申し出を断ること、遺贈(遺言による贈与)を放棄すること、条件付きの贈与や遺贈を受け入れること。
- 建物の新築、改築、増築、または大規模な修繕をすること。
- 法律で定められた一定期間を超える賃貸借契約を結ぶこと。
よって、「すべての行為について代理人を付ける必要まではないが、不動産売買のような重大な行為について本人が行うのには不安がある。」というケースで保佐人が選任されます。
補助人にできること
補助人の権限は、保佐人や成年後見人と比べてさらに制限されます。
まず、包括的な代理権は持たず家庭裁判所で認められた特定の行為のみ代理権が付与されることがある、という点では保佐人と共通しています。
そして同意権(これに伴う取消権)を持つ点でも保佐人に近い権限を持ちますが、同意権の範囲がさらに狭まります。保佐人は上に掲げたとおり民法で列挙された行為について同意権を持ちますが、補助人はさらにその行為の一部に限定されるのです。
たとえば「借金をする」「不動産を売る」など、指定した特定の行為についてのみ同意権が付与され、限られた場面でのみ補助人がサポートを行うこととなります。
任意後見人にできること
任意後見人は、上記各種後見人とは大きく性質が異なり、「本人との契約に基づいて権限が定められる」という特徴を持ちます。
そこで任意後見契約で定めていれば、財産管理のこと・身上監護のこと・医療や介護サービスに関することなど、自由に代理権を定めることができます。
このように柔軟性が高いのが利点であり、判断能力に問題がないタイミングで前もってルールを定めることができればより本人の意思を反映したサポートを実現することができるでしょう。
一方で、任意後見人は同意権や取消権を持ちません。そのため本人が誤って契約を締結してしまった場合など、財産が減少してしまうような行為をしてしまっても保護しきれない可能性もあります。
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