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相続人になれる人物とは?順位と範囲、法定相続分について解説

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相続人になれる人物とは?順位と範囲、法定相続分について解説

相続人になれる人物とは?順位と範囲、法定相続分について解説

2023/09/01

亡くなった方が生前有していた財産は、その親族など身近な方が相続することになります。ただ、相続のルールは民法に規定されており、単に「亡くなった方と身近な存在」というだけで相続人になれるわけではありません。

誰が相続できるのか、その範囲は法律に定められています。当記事では「誰が相続人になれるのか」がわかるよう、解説をしていきます。

 

相続人の順位とは

民法では、相続人になる可能性を持つ人物がいくつか列挙されています。

 

そのうちの誰が実際に相続できるのか、それは「順位」により定まります。第1~3の順位が法定されており、上から順に優先的に相続人になれます。逆に言うと、先順位の人物が存在している場合、後順位の人物は相続人になれません。

 

そして各順位に該当する代表的な例をまとめると以下のようになります。

 

相続人の順位

該当する人物の例

第1順位

子ども

第2順位

第3順位

兄弟姉妹

配偶者は順位に関係なく“常に”相続人になれる

 

上表にある通り、子ども・親・兄弟姉妹の順に優先的に相続人になれます。しかしその例外にあるのが「配偶者」です。法的に婚姻関係にある妻や夫に関しては、常に相続人になれます。

※法的な婚姻関係にない、内縁の夫・内縁の妻などは相続できない。

 

他の共同相続人が子どもであっても、親であっても、一緒に相続することが可能です。

 

(配偶者の相続権)

第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

引用:e-Gov法令検索 民法第890条

 

第1順位の相続人について

では、各順位に該当する人物に関してそれぞれ詳しく解説していきます。

 

まずは第1順位です。ここに該当する範囲、そして法定の相続分、遺留分についてです。

 

相続人の範囲

第1順位は、原則として「被相続人の子ども」です。
複数の子どもがいる場合はその全員が相続人になれます。養子であるかどうかも関係ありませんし、前の配偶者との間で生まれた子どもも同等に扱われます。

 

ただし、被相続人が亡くなった時点で先に子どもが亡くなっていることもあり、その場合は代襲相続が発生します。これにより先に亡くなっていた方の子どもが親の権利を引き継ぎ、「被相続人の孫」が相続人となります。

 

(子及びその代襲者等の相続権)

第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

引用:e-Gov法令検索 民法第887条

 

民法第887条の第1項に、子どもがまず相続することが規定され、第2項に代襲相続についてのルールが定められています。第3項には再代襲のことが規定されています。つまり、代襲相続人となる孫が先に亡くなっていたときは、ひ孫についても同様に相続権を得ることができるということです。

 

法定相続分

第1順位に該当する子どもや孫などが配偶者と共同相続する場合、次の割合で相続分を持ちます。

 

配偶者:第1順位の相続人 = 1:1

 

つまり、配偶者と1人の子どもが1,000万円の遺産を共同相続する場合は、それぞれ500万円ずつを取得することになります。

 

もっとも、子どもが複数人いる場合、子ども1人あたりの取得分は少なくなります。配偶者は変わらず1/2を取得できるのですが、子どもは人数に応じてさらに分割する必要があります。
上の例において子どもが5人いたとすれば、1人あたりの取得分は100万円になります。

 

なお、配偶者が先に亡くなっており子どもだけで相続するときは、均等に分割して取得します。

 

その他法定相続分に関して以下の点を押さえておくと良いでしょう。

 

  1. 養子と実子に差はない
  2. 嫡出子と非嫡出子(婚姻外の子ども)に差はない
  3. 代襲相続した孫は被代襲者と同じ取得分となるが、被代襲者を同じくする孫が複数いる場合は、さらに人数で分割する
  4. 共同相続人全員の協議で法定相続分と異なる取得割合にすることはできる

 

遺留分

相続人の範囲や相続分が法定されていても、遺言書により、第三者に遺産を譲ることも可能です。このとき、相続人が取得できる遺産は少なくなるのですが、一定割合は留保することができるとも法定されています。

 

この留保分を「遺留分」と呼びます。

 

第1順位にあたる人物には遺留分が認められ、遺贈などにより遺留分すら受け取れていないというときは、遺留分侵害額請求を行って金銭を支払ってもらうことができます。

 

子どもや孫に関しては、法定相続分の1/2が遺留分として留保されます。遺産総額が1,000万円、配偶者と1人の子どもが相続するときであれば、法定相続分はそれぞれ500万円ですので、遺留分はさらにその半分の250万円です。遺言書により全遺産が第三者に遺贈されていても、子どもは当該第三者に対して遺留分侵害額請求を行うことで、250万円は確保することが可能です。

※配偶者に関しても同等に遺留分が認められる。

 

第2順位の相続人について

次に第2順位の相続人に関して解説をします。

 

相続人の範囲

第2順位以降の相続権については、次の条文に規定が置かれています。

 

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹

引用:e-Gov法令検索 民法第889条第1項

 

この条文には、子どもなどがいないとき、次点で「被相続人の直系尊属」が相続できると定めています。直系尊属とは父や母、祖父母などのことです。但し書きの規定に従い、両親・祖父母がどちらも存命であるときは両親が優先されます。

 

なお、姻族についてはこの範囲に含まれないため、被相続人の義母・義父は相続人にはなれません。一方で被相続人が養子縁組を交わしていた場合は、養親と実親の両方が相続できます。

※特別養子縁組の場合は実親との関係が断絶されるため、実親は相続できない。

 

法定相続分

第2順位の人物が配偶者と共同相続する場合、次の割合で遺産を取得できます。

 

配偶者:第2順位の相続人 = 2:1

 

遺産総額3,000万円で共同相続する場面だと、配偶者が2,000万円、両親が1,000万円を取得することになります。両親はさらに1,000万円を分割し、父と母がそれぞれ500万円ずつとなります。

 

なお、配偶者がいないときは両親で均等に3,000万円を分割して取得します。

 

遺留分

直系尊属にも遺留分は認められます。

 

配偶者との共同相続をするときは「法定相続分×1/2」、直系尊属のみで相続するときは「法定相続分×1/3」が遺留分です。

 

第3順位の相続人について

続いて、第3順位の相続人に関して解説します。

 

相続人の範囲

上の条文(民法第889条第1項)にあるように、子どもなどがいないときは直系尊属が相続でき、さらに直系尊属もいないときは第3順位として「被相続人の兄弟姉妹」が相続できます。

 

また、兄弟姉妹に関しては代襲相続の規定が準用されています。

相続開始時点で兄弟姉妹が亡くなっているのであれば、その子ども(被相続人の甥っ子や姪っ子)が代襲相続できます。ただし、それ以上の再代襲は起こりません。

 

法定相続分

被相続人の兄弟姉妹、またはその代襲相続人の法定相続分は、配偶者との共同相続において次のように定まります。

 

配偶者:第3順位の相続人 = 3:1

 

遺産総額が4,000万円で、配偶者と被相続人の弟と妹が相続するとき、配偶者は3,000万円を取得。弟と妹は1,000万円を均等に分け合い、それぞれ500万円が取得分となります。

 

なお、半血兄弟に関してはさらに1/2の法定相続分しか認められていません。
例)Aとその弟は両親が同じであるが、Aとその妹は父親(または母親)が異なる場合、Aの相続において弟の方が妹より法定相続分が優遇される。

 

遺留分

兄弟姉妹は遺留分を主張できません。そのため第三者にすべての遺産が遺贈されていると、一切の財産を受け取れなくなります。

 

そもそも遺留分とは、亡くなった方の経済力を失った場合の備えとして、生活保障の観点から設けられた制度です。子どもなどは親の経済力に頼っていることも十分考えられるため、全財産を譲渡されてしまったときでも一部取り返すことができるのです。

 

これに対して兄弟姉妹は、一般的に、どちらかが経済的に依存する関係にはないと考えられており、遺留分も認められていません。

 

胎児がいる場合

法的に、胎児には権利能力は認められず、権利義務の主体になることはできません。しかし相続においては別です。

 

(相続に関する胎児の権利能力)

第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

引用:e-Gov法令検索 民法第886条

 

例えば、被相続人に妊娠中の配偶者がいる場合、配偶者と胎児が共同相続することになります。そのため後順位の人物に順番は回ってきません。また、取得分についても胎児であることを理由に差がつけられることはありません。

 

包括受遺者がいる場合

遺贈には2つの方法があります。特定の財産を指定してする「特定遺贈」と、財産のすべてまたは割合を指定する「包括遺贈」の2つです。

 

例えば「土地Xを友人Aに遺贈する」旨の記載があるときは特定遺贈です。
これに対し「遺産の1/3は友人Aに遺贈する」旨の記載があるときは包括遺贈となります。

 

そして包括遺贈を受ける包括受遺者に関しては、その割合に応じて相続人と同じ権利義務を持つこととなります。

 

(包括受遺者の権利義務)

第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

引用:e-Gov法令検索 民法第990条

 

そこで、子どもや配偶者、あるいは親や兄弟姉妹がいる場合、これらの人物とともに遺産分割協議に参加しないといけません。相続人同等の立場に立つことで、借金などの消極財産に関しても指定の割合に応じて承継することとなります。

 

廃除または欠格があった場合

亡くなった方に対して重大な侮辱行為をはたらいた、虐待をしていた、その他ひどい非行があったとき、所定の手続を経て権利を剥奪することができます。この制度を「廃除」と呼びます。

 

また、先順位の人物を死亡させた、強迫・詐欺により遺言をさせた・遺言を取り消させた、遺言書を破棄した、といった行為をした者は「欠格」になります。欠格は、手続を経るまでもなく法律上当然に効力が生じます。

 

この廃除・欠格があったとき、相続人に変動が起こります。子どもが廃除または欠格となることで後順位の者が相続する可能性も出てきます。ただし、代襲相続人の権利まで剥奪されるわけではないため、廃除や人物に子どもがいるときは順位の変動はありません。

 

相続放棄があった場合

「相続放棄」により、相続人としての立場を自ら捨てることも可能です。このとき、“初めから相続人ではなかった”という取り扱いになり、廃除や欠格のときのように代襲相続も起こりません。

 

子どもが相続放棄をすることで後順位に移ることもあり、当該子どもに関して代襲相続は発生しません。そのため相続放棄は、被相続人の孫にも影響を及ぼします。

 

相続人が誰もいない場合

相続人が誰もいない場合、「特別縁故者」に財産分与が行われます。

 

特別縁故者とは主に、亡くなった方と「一緒に暮らしていた」「看護・介護をしていた」という人などを指します。法的な関係性にはないものの、非常に近い関係性にある人物が該当し得ます。

 

ただし家庭裁判所に対して請求を行った上、相当と認められなければなりません。

 

なお、特別縁故者も現れなかったときは、国庫に遺産は帰属します。財産の承継先が見つからず最終的に国のものになるケースはそれほど珍しいものではありません。実際、毎年数百億円の規模で国庫に帰属しています。

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