【コラム】お盆に家族で話しておきたい相続のこと|遺言・実家・お墓の話し合い方
2026/08/10
こんにちは。司法書士法人あかりテラスです。
実家へ帰省したとき、親のこれからや相続について少し話しておきたいと考える方も多いのではないでしょうか。
一方で、相続の話を切り出すことに抵抗を感じる方もいます。
「財産のことを聞くのは失礼ではないか」
「縁起でもないと思われそう」
「親が元気なうちに話す必要があるのか」
そのように迷うのは自然なことです。
相続について話し合う目的は、亡くなった後の財産の分け方を決めることだけではありません。
これからどのように暮らしたいのか。
実家を誰が守るのか。
お墓や仏壇をどうするのか。
家族へどのような想いを残したいのか。
本人の希望や家族の考えを知り、これからに備えるための大切な時間でもあります。
この記事では、お盆に家族で話しておきたい相続について「遺言」「実家」「お墓」の3つに分けて解説します。
1.お盆は相続の話を始めるきっかけになる

相続の話は、問題が起きてから始めるものと思われがちです。
しかし、親が元気で意思を確認できるうちに話し合っておくことで、家族の負担を減らせる場合があります。
認知症などで判断能力が低下すると、遺言書の作成や生前贈与、不動産の売却が難しくなることもあります。親の考えを確認できないまま相続が始まれば、残された家族だけで判断しなければなりません。
特に実家やお墓は、預貯金のように簡単に分けられるものではありません。
誰が引き継ぐのか。
管理や維持にかかる費用をどうするのか。
将来売却する可能性があるのか。
家族によって考え方が異なるからこそ、早めに希望を共有しておくことが大切です。
ただし、お盆の席ですべてを決める必要はありません。最初は次のような聞き方でも十分です。
「実家は将来どうしたいと思っている?」
「大切な書類はどこに置いている?」
「お墓のことで気になっていることはある?」
「もしものときに希望していることはある?」
いきなり財産の金額を尋ねるのではなく、親の希望や困りごとから話を始めると自然です。
まずは相続対策を進めることより、家族がお互いの考えを知ることを目的にしてみましょう。
2.遺言書について確認しておきたいこと

家族で相続について話す際は、遺言書を作成しているか確認しておきましょう。
遺言書がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行うのが一般的です。家族の仲が良くても、相続が始まると意見が分かれることがあります。
実家を残したい人と売りたい人がいる。
親の介護をした人と他の兄弟で考えが違う。
不動産が多く平等に分けることが難しい。
こうした場合も、遺言書によって本人の意思が示されていれば、相続手続きを進めやすくなります。
特に次のような方は、遺言書の作成を検討する意味があります。
- 子どもがいない
- 相続人が多い
- 再婚している
- 前の配偶者との間に子どもがいる
- 特定の相続人へ実家を引き継いでほしい
- 相続人以外の人へ財産を残したい
- 介護や生活を支えてくれた家族へ多く残したい
- 家族同士の争いを避けたい
主な遺言書には、自分で作成する自筆証書遺言と、公証役場で作成する公正証書遺言があります。
自筆証書遺言は手軽に作れる反面、法律上の要件を満たしていないと無効になるおそれがあります。紛失や改ざんのほか、相続開始後に発見されない可能性にも注意が必要です。
自筆証書遺言を作る場合は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法もあります。
公正証書遺言は、公証人が本人の意思を確認したうえで作成します。原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配が少ない方法です。
また、遺言書を作る目的は財産の分け方を指定することだけではありません。
なぜそのような分け方にしたのか。
家族へどのような想いを伝えたいのか。
こうした気持ちも付言事項として残しておけば、家族が遺言の内容を受け止めやすくなることがあります。
あかりテラスでは、財産の分け方とともに、家族への感謝や願いを伝える付言事項も大切にしています。
3.実家や空き家の今後を話し合う

相続で特に問題になりやすいのが実家です。
親が住んでいる間は、将来の扱いを具体的に考える機会が少ないかもしれません。しかし、相続後に誰も住まなければ空き家となり、家族が管理を続けることになります。
空き家になっても固定資産税はかかります。定期的な換気や草刈りも必要となり、老朽化が進めば修繕や解体を検討しなければなりません。
お盆に家族が集まった際は、次の点を確認しておきましょう。
- 将来も実家に住みたい人がいるか
- 実家を相続したい人がいるか
- 誰も住まない場合は売却するか
- 家財や仏壇をどのように整理するか
- 管理費用や固定資産税を誰が負担するか
- 土地の境界や接道に問題がないか
- 山林や農地も相続財産に含まれていないか
実家を兄弟全員の共有名義にすれば公平に見えるかもしれません。
しかし、共有不動産を売却したり大規模な修繕を行ったりする際は、原則として共有者全員の協力が必要です。さらに次の相続が起きれば、共有者が増える可能性もあります。
そのため「とりあえず共有にする」のではなく、今後誰が使うのか、どのように管理するのかまで考えて名義を決めることが大切です。
親が元気なうちであれば、実家を売却して住み替える方法や、家族信託を活用して将来の管理に備える方法も検討できます。
すぐに売却する予定がなくても、不動産の名義や権利証の保管場所を確認しておくと安心です。
熊本では、実家と一緒に山林や農地、私道持分などを相続するケースもあります。
家族が存在を知らない土地が残っていることもあるため、固定資産税の課税明細書や権利証を確認しておきましょう。
あかりテラスでは、相続登記に加えて空き家の査定や売却にも対応しています。相続後に困らないよう、不動産の入口から出口まで一緒に整理します。
4.お墓や仏壇を誰が守るか確認する

お盆は、お墓参りや仏壇に手を合わせる機会でもあります。そのため、お墓の今後について自然に話しやすい時期といえるでしょう。
お墓や仏壇は、一般的な相続財産とは異なる扱いを受けます。
財産を多く相続した人が、当然にお墓や仏壇も引き継ぐわけではありません。
家族で次の点を確認しておくと安心です。
- 現在のお墓を誰が管理しているか
- 墓地の使用名義人は誰か
- 年間管理料を誰が支払っているか
- 将来お墓を守る人がいるか
- 仏壇や位牌を誰が引き継ぐか
- 納骨について本人の希望があるか
- 墓じまいや永代供養を考えているか
子どもが遠方に住んでいる場合や、お墓を引き継ぐ人がいない場合は、将来の管理が難しくなることがあります。
そのようなときは、永代供養や納骨堂への移転、墓じまいなども選択肢になります。
ただし、お墓に納められている遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、改葬の手続きが必要です。墓地の管理者や親族との調整も必要となるため、急いで結論を出さず、まずは家族の希望を共有しておきましょう。
お墓の話は宗教観や家族の思い出にも関わります。
費用や管理の負担だけで決めるのではなく、親が大切にしてきたことや、今後管理する家族の事情も考えることが大切です。
「お墓を守れないのは申し訳ない」と感じる方もいます。しかし、供養の形は一つではありません。
家族が無理なく続けられる方法を選ぶことも、先祖や亡くなった方を大切にする一つの形ではないでしょうか。
5.まとめ
お盆は、普段離れて暮らす家族が集まる貴重な機会です。
この場ですべてを決める必要はありません。まずは遺言書の有無や実家の今後、お墓を誰が守るのかについて、本人と家族の希望を確認してみましょう。
相続について話し合うことは、財産を誰が受け取るかだけを決めることではありません。
親がこれからどのように暮らしたいのか。
大切な実家をどうしたいのか。
お墓や仏壇をどのような形で守ってほしいのか。
本人の想いを家族で共有することが、円満な相続への第一歩になります。
話し合った内容は、必要に応じて遺言書や家族信託、任意後見などの形にしておくことも大切です。
司法書士法人あかりテラスでは、熊本での遺言書作成や相続登記、家族信託、任意後見に関するご相談を承っています。
実家や空き家の査定・売却、おひとりさまの見守りや死後事務についても対応しています。
相続を「縁起でもない話」として後回しにするのではなく、ご家族のこれからを明るく整える機会にする。
それが、あかりテラスの相続支援です。
このお盆は、家族の未来について少しだけ話してみませんか。
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