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【コラム】子どもがいない夫婦は遺言が必要?配偶者に財産を残すための注意点

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【コラム】子どもがいない夫婦は遺言が必要?配偶者に財産を残すための注意点

【コラム】子どもがいない夫婦は遺言が必要?配偶者に財産を残すための注意点

2026/08/24

こんにちは。司法書士法人あかりテラスです。

 

「子どもがいないので、夫婦のどちらかが亡くなったら、残された配偶者がすべて相続する」

 

そう考えている方は少なくありません。

 

しかし子どもがいない夫婦でも、配偶者だけが相続人になるとは限りません。

 

亡くなった方の親が存命であれば、配偶者と親が相続人になります。親がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人になることがあります。

 

さらに、兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その子である甥や姪が相続人となることもあります。

 

そのため「配偶者に自宅や預貯金をすべて残したい」と考えている夫婦にとって、遺言書の作成は大切な備えです。

 

この記事では、子どもがいない夫婦の相続人や法定相続分について解説します。配偶者へ財産を残すための遺言書と、作成時の注意点も分かりやすくご紹介します。

 

 

 

 

1.子供がいない夫婦では誰が相続人になるのか

 

 

亡くなった方の配偶者は常に相続人になります。

 

ただし子どもがいない場合は、亡くなった方の親や兄弟姉妹も相続人となる可能性があります。

 

親が存命の場合

 

子どもや孫がいない場合は、配偶者と亡くなった方の親が相続人になります。

 

法定相続分は次のとおりです。

 

  • 配偶者 3分の2
  • 親などの直系尊属 3分の1

 

父母の両方が存命であれば、親の相続分である3分の1を2人で分けます。

 

たとえば相続財産が3,000万円の場合、配偶者の法定相続分は2,000万円です。父母の法定相続分は合計1,000万円となります。

 

親がすでに亡くなっている場合

 

子どもがおらず、親や祖父母も亡くなっている場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

 

法定相続分は次のとおりです。

 

  • 配偶者 4分の3
  • 兄弟姉妹 4分の1

 

兄弟姉妹が複数いるときは、4分の1の相続分を人数に応じて分けます。

 

兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子である甥や姪が代わりに相続人になることがあります。

 

配偶者だけが相続人になる場合

 

亡くなった方に子どもや孫がおらず、親や祖父母も亡くなっている。さらに兄弟姉妹や甥姪もいない場合は、配偶者だけが相続人になります。

 

つまり「子どもがいない」という理由だけで、配偶者がすべての財産を相続できるわけではありません。

 

相続対策を考える際は、まず戸籍を確認し、誰が相続人になるのかを把握することが大切です。

 

2.遺言書がないと配偶者が困ることがある

 

 

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行うのが一般的です。

 

子どもがいない夫婦では、残された配偶者が亡くなった方の親や兄弟姉妹と話し合うことになります。

 

親族との関係が良好であれば、話し合いによって配偶者がすべての財産を取得できる可能性もあります。

 

ただし、そのためには相続人全員の合意が必要です。一人でも反対すれば、すべての財産を配偶者の名義にすることは難しくなります。

 

自宅を相続できない可能性がある

 

相続財産の多くを自宅が占めている場合は注意が必要です。

 

預貯金が少ないと、親や兄弟姉妹の相続分を確保するため、自宅の売却が必要になることがあります。

 

残された配偶者が住み続けたいと思っていても、遺産分割がまとまらなければ、その後の生活に影響するおそれがあります。

 

疎遠な親族との話し合いが必要になる

 

兄弟姉妹が相続人になるケースでは、長年交流がないことも珍しくありません。

 

兄弟姉妹が亡くなっていると、その子である甥や姪が相続人になる場合もあります。

 

その結果、残された配偶者が、ほとんど面識のない親族へ連絡しなければならないこともあります。

 

相続人が多いほど、戸籍の収集や連絡には時間がかかります。遺産分割協議を成立させるには、原則として全員の署名と実印による押印も必要です。

 

預貯金の手続きにも合意が必要になる

 

亡くなった方名義の預貯金は、配偶者だからといって自由に解約できるわけではありません。

 

金融機関の相続手続きでは、遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書を求められることがあります。

 

遺言書がないために、自宅の名義変更だけでなく、預貯金の解約も進まなくなる可能性があります。

 

 

3.配偶者へ財産を残す遺言書の作り方

 

 

 

配偶者へ財産を残したい場合は、その意思を遺言書に明確に記載します。

 

たとえば次のような内容です。

 

「遺言者は、遺言者が所有するすべての財産を妻〇〇に相続させる。」

 

ただし、実際の遺言書は、家族関係や財産の内容に合わせて作る必要があります。

 

不動産や預貯金ごとに取得者を指定する方法もあれば、財産全体を配偶者へ相続させる方法もあります。

 

公正証書遺言

 

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認して作成する遺言書です。

 

原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配が少なく、相続開始後の家庭裁判所による検認も必要ありません。

 

自宅や複数の不動産がある場合は、公正証書遺言を検討すると安心です。

 

子どもがいない夫婦では、兄弟姉妹や甥姪まで相続関係が広がることがあります。残された配偶者の負担を減らすためにも、確実性の高い方法を選ぶことが大切です。

 

自筆証書遺言

 

自筆証書遺言は、自分で作成できる遺言書です。

 

手軽に作れる一方で、日付や署名などの法律上の要件を満たしていなければ、無効になるおそれがあります。

 

自宅で保管すると紛失や改ざんの心配があり、相続が始まっても発見されないかもしれません。

 

自筆証書遺言を作成する場合は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法もあります。

 

この制度を利用すれば遺言書を法務局で保管でき、相続開始後の家庭裁判所による検認も不要です。

 

夫婦それぞれが遺言書を作る

 

夫婦が二人で一つの遺言書を作成することはできません。

 

夫から妻へ財産を残したい場合は、夫が自分の遺言書を作ります。妻から夫へ残したい場合も、妻が別に遺言書を作らなければなりません。

 

どちらが先に亡くなるかは分からないため、子どもがいない夫婦では、お互いが相手へ財産を残す内容の遺言書を準備しておくことが大切です。

 

遺言書は後から変更できます。財産や家族の状況が変わったときは、内容を見直しましょう。

 

4.遺言書を作る際に確認したい注意点

 

 

配偶者へすべての財産を相続させる遺言書を作る場合も、相続人の範囲によって注意点が異なります。

 

親には遺留分がある

 

亡くなった方の親が相続人になる場合、親には遺留分があります。

 

遺留分とは、一定の相続人に保障されている最低限の取り分です。

 

全財産を配偶者へ相続させる遺言書を作っても、親から遺留分に相当する金銭を請求される可能性があります。

 

そのため、親との関係や財産の内容を踏まえて遺言書を作る必要があります。

 

預貯金が少なく自宅が財産の中心となっている場合は、生命保険などを活用し、遺留分の支払資金を準備する方法も考えられます。

 

兄弟姉妹には遺留分がない

 

兄弟姉妹や甥姪には遺留分がありません。

 

そのため「全財産を配偶者に相続させる」という有効な遺言書があれば、兄弟姉妹から遺留分を請求されることはありません。

 

子どもがおらず、親がすでに亡くなっている夫婦では、遺言書を作る効果が特に大きいといえます。

 

遺言書がなければ兄弟姉妹との遺産分割協議が必要ですが、有効な遺言書があれば、原則としてその内容に沿って相続手続きを進められます。

 

遺言執行者を指定する

 

遺言書には、遺言執行者を指定できます。

 

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人です。

 

不動産の名義変更や預貯金の解約を円滑に進めるため、司法書士などの専門家を指定する方法もあります。

 

残された配偶者が高齢の場合や、相続手続きに不安がある場合は、遺言執行者を決めておくと安心です。

 

二次相続も考える

 

配偶者へ全財産を相続させた後、その配偶者も亡くなれば次の相続が起こります。これを二次相続といいます。

 

子どもがいない夫婦では、最終的にどちらの親族へ財産を残すのかも考えておく必要があります。

 

たとえば夫から妻へ全財産を相続させた後、妻が亡くなると、残った財産は妻側の親族へ相続される可能性があります。

 

「夫婦で築いた財産を最終的に誰へ残したいか」まで考える場合は、予備的な内容を含む遺言や遺贈を検討します。

 

ただし、一人の遺言書によって、配偶者が相続した財産の次の承継先まで自由に拘束できるわけではありません。

 

夫婦それぞれの希望を確認し、双方が遺言書を準備することが重要です。

 

5.まとめ

 

子どもがいない夫婦でも、配偶者がすべての財産を相続できるとは限りません。

 

亡くなった方の親が存命であれば、配偶者と親が相続人になります。親や祖父母が亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。

 

兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、甥や姪が相続人となることもあります。

 

遺言書がなければ、これらの相続人全員と遺産分割協議を行わなければなりません。

 

残された配偶者へ自宅や預貯金を確実に残したい場合は、元気なうちに遺言書を作成しておくことが大切です。

 

特に親がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹に遺留分がありません。有効な遺言書を作ることで、配偶者の相続手続きを進めやすくなります。

 

遺言書を作る際は、次の点も確認しましょう。

 

  • 誰が相続人になるのか
  • 親の遺留分に配慮する必要があるか
  • 自宅と預貯金をどのように残すか
  • 遺言執行者を指定するか
  • 配偶者が亡くなった後は誰へ財産を残すか
  • 夫婦それぞれが遺言書を準備しているか

 

司法書士法人あかりテラスでは、熊本での遺言書作成や相続手続きをサポートしています。

家族関係や財産の内容を確認したうえで、公正証書遺言の文案作成や証人の手配にも対応しています。

 

遺言は、財産を分けるためだけの書類ではありません。

大切な配偶者がこれからも安心して暮らせるよう、想いと備えを形にするものです。

 

あかりテラスでは夫婦それぞれの気持ちを丁寧に伺い、ご家族のこれからに合った遺言を一緒に考えます。

 

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